ストレッチの常識・非常識~その2
今回は、ストレッチされた筋肉に一体何が起こっているのかを考えてみようかと思ったのですが筋肉の構造にまで立ち入った複雑怪奇な話になりそうなので断念。
で、方針を変えてストレッチの種類と注意点をあげていきたいと思います。
おっと、その前に筋肉・腱の安全装置(固有受容器)について説明しておきます。
筋肉・腱にはそれ自身が壊れるのを防ぐために筋紡錘とゴルジ腱器官という二つの器官があります。
簡単に書くと、
・筋紡錘
筋肉内にあり筋繊維の伸び縮みを感じる。
筋肉が伸びすぎた時の保護のため筋肉を収縮させる。
・ゴルジ腱器官
筋と腱の接合部、靱帯などにあり腱の伸び縮みを感じる。
腱が伸ばされすぎた時の保護のため筋肉の収縮を弛める。
つまり、筋肉は引っ張られすぎると切れちゃ行けないと思い筋肉自信を収縮させて守ろうとします。一方の腱のほうはその腱を引っ張る筋肉を弛めて自分を保護しようとするわけです。
なんか、双方が和解することのない切ない関係ですね。
どちらかが優位に働くかはその時の状態によって様々ですがこの性質を頭に入れてストレッチは行うべきです。
さて、本題に戻って一般的なストレッチは下記のように4種類に分類されます。
・スタティックストレッチ
反動を付けずにゆっくり体を伸ばす一番一般的なストレッチ
・バリスティックストレッチ
反動を付けて伸ばすストレッチ。
筋紡錘が刺激され筋肉を縮めようとする反応(伸長反射)が起こりやすい。
縮みたがっている筋肉を無理矢理引っ張ると...怪我しそうですよね。
怪我をしやすいので特別な理由がなければやるべきではないストレッチです。
・ダイナミックストレッチ
過度な反動を使わず、動きの中で関節をいろいろな方向に動かすことで、可動域を広げるストレッチ方法です。ウォームアップでは最近流行かも?
・PNFストレッチ
徒手抵抗ストレッチとも呼ばれたりするようですが、先ほど述べた筋肉の安全装置(固有受容器)の特性を利用したストレッチです。
直接伸ばすのではなく、神経系の反射を利用して筋肉を弛めるというのが正しい表現かもしれません。
・クライオストレッチ
筋肉をアイシングしながら行うストレッチ。リハビリなどで使う。
アイシングをすると固有受容器の反応が鈍くなり筋肉が伸びやすくなるという効果を応用したもの。
という感じです。
では、次回はそれぞれの詳細をもう少し見ていきましょう。
つづく