頭に穴開けちゃいました~其の二(決死の大阪移動大作戦)~
CT撮影後、突然自分の扱いがVIP(?)扱いに。
「ん?」
と思っている僕に担当の医師は落ち着いた口調でこう説明を始めました。
「硬膜下血腫といって、頭の中に血がたまって脳が圧迫された状態になっています。すぐに手術が必要です。」
「なんで頭に血がたまってるんや???手術ってなにするの???」
と頭痛でフラフラな頭で少し考えましたがすぐに
「原因はともかくこの痛みから解放されるなら手術でもなんでもやってくれ!」
という考えで頭が一杯になってきました。
痛みに負けたみたいで情けなかったですが、その時はそれどころではなかったです。
その日はもう夕方だったので明日手術の準備をするということで即入院。
とりあえず痛み止めの点滴をしてしばらくは楽になる。
病院の方から会社と実家に連絡をしてくれ、夜にホテルの荷物を持って課長が見舞いにきました。
課長もかなり驚いている様子でした。
その後ウトウトとしていると朝の4時か5時ごろになんと父と兄と姉がやってきたではないですか。
病院から連絡を受け夜中車で走って大阪から長野まで来てくれたのです。
まさかこんな早く来るとは思っていなかったのでビックリしたと同時に自分はとんでもない状態になってしまったんだということを改めて実感しました。
後で聞いた話ですがお酒を飲んで酔っぱらっていた父がこの話を聞いたとたん素に戻って「すぐに行こう」と言って来てくれたらしいです。
朝になって医師の方が出勤してくると父と兄が話をしにどこかへ行きました。
しばらくして帰ってくるといきなり
「大阪へいくぞ!」
「え?ここで手術とちゃうの??」
「容態は安定しているから移動してもいいらしい。大阪の実家の近くの病院の方がこっちも楽やしな」
ということで紹介状を書いてもらい大阪の病院に連絡をとってもらう。
そうすると運良く受け入れてくれるとのこと。
行き先も決まると後は移動するのみ。大阪まで行く時間分の痛み止めを点滴してもらい兄の車でいざ出発!さようなら長野県!これが今生の別れにならないことを祈って...
出発直後はよかったものの大阪が近づいていくるにつれだんだんと痛み止めが切れてきて頭痛と吐き気が激しくなってくる。人生でこれほど車に乗っているのが辛いと思ったことは多分ないでしょう。
もう、吐きかけ寸前というところで間一髪大阪の病院に到着。
その病院というのが運命のいたずらなのか何なのか、何故か自分が生まれた病院。
おまけにその日は誕生日。
これで、このまま手術に失敗して死んでたらある意味ネタになってたなぁと考える余裕は...
もちろんその時はありませんでした。
病院に到着すると医師の方がもう待っていてCT撮影後すぐに手術室へ。
手術は部分麻酔だったので手術中も意識はしっかりありました。
2~3時間ぐらいの時間でしたが、その中で僕の命のかかった色々なドラマ(?)がありました。
[つづく]
ぎょえ~~~~。頭なのに局部麻酔で意識が
あるってどういうこと~~~~~。
私だったらそこでまた倒れそうだよ・・・。
しかも誕生日で生まれた病院だなんて
これは運命。一生忘れられない思い出だし、
命の大切さをかみしめる日なんですね。