頭に穴開けちゃいました~其の四(言葉一つで...)~
そんなこんなで手術がスタート。
まず、レーザーで皮膚をカットしますって見たわけではないですが焼くような感じがしたので多分レーザーだと思います。
麻酔が効いているので痛みは全くありませんが幸か不幸か何をされているかは大体分かります。
カットが終わると皮を剥がして頭蓋骨を出す作業。
皮を剥がされるのがリアルに分かります。
それが終わると医師が
「今から頭に穴開けるよ~」
「は、はい...」
というしか僕には出来ません。
ドリルらしきものでゴリゴリと骨を削る音と削られる感触が伝わってきます。
勢い余ってドリルの刃の先端が脳に接触したらどうなるのか?
行き過ぎないストッパーみたいなものは付いているのか?
考えれば考えるほど不安になってきます。
本当にこのときばかりは、自分の命はこの人の腕にかかっているんだと祈るような気持ちでした。
穴が開け終わると今度は管の挿入・固まった血の吸引へと作業は進みます。
「今から管いれるからね~」
「はい...」
「じゃぁ、今から吸引するからね~大丈夫?」
「はい...」
という感じで医師とのやりとりが続く。
やたら声をかけてくるなぁとその時は思っていたのですが今思うと意識があるかどうかを確認するためだったのかなとも思います。
その医師の人は吸引に特殊な機械を使うらしく
「この機械で吸引できるのは私と○×ぐらいや」
と自慢話的なことをさりげなく言いながら手術を進めていきます。これも今思うと技術があるから大丈夫と患者を安心させるために言っていたことなのかもしれません。実際、その時はそういう話を聞いてこの人は優秀なんだなと安心しましたから。
そうして無事片方が終わり次は反対側へ。
やりとりを聞いていると反対側はもう一人の若い医師がやる様子。
どうやら反対側の方が血腫の大きさは小さいが位置的には少し難しい様子。
そこで聞こえてきた会話はなかなか衝撃的でした。
若い医師:「ちょっとわかりにくい場所ですねぇ。
穴開けてみて外れてたらごめんなさいですかねぇ?」
ベテラン医師:「....」
頭に穴を何個も開けられてはたまったものではないです。
こんな状態じゃなかったら、ふざけるな!と怒っているところです。
お陰様でかなり不安になりました。
実際に手際もあまり良くないことが見ていなくてもわかります。
穴を開けるところまでは順調でしたが管を挿入するあたりでかなりもたついていました。
「ひょっとして穴を開ける位置を本当に間違えたのでは?」
と思わずにはいられません。
そして、その不安な気持ちに追い打ちをかける一言が、その医師の口から出ました。
「あっ!」
たった一言でしたがこの言葉の重み、わかりますよね?
何かまずいことをやってしまった時意外にこの言葉を発することはないでしょう。
このときばかりは「もう最後かも」と本当に思いました。
本当に言葉一つで安心感が大きく変わるということを身をもって体験しました。
しかしながら、やっぱりプロはプロ!?
一回目よりかなり時間がかかりましたが何とか吸引も開始し手術は無事終了。
ほっと一息です。
でも手術直後はこれで終わった!っていう実感はあまり湧かなかったです。
というのも、その後二日間は頭から管を出して寝たきりの生活が続いたからです。
血腫を一気に全て取り除くと脳内の圧力が急に下がって悪影響を及ぼす可能性があるそうで、ある程度機械で抜き、その後は頭に管をつけたままにして自然に血が流れていくのを待つそうです。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございます。
なんかとても長くなってしまいましたが
次回はいよいよ最終回!
自分では動けない寝たきり生活を二日間続けて私は何を感じたのか...
[つづく]
う~~~ん。ここまで自分でよく読めたなあ~。
本当に血とかケガとか苦手なもので・・・。
それにしてもこのリアルさ、たまりません。
まことん、生きててよかったよ~~。
毎回ゴクリ、と生唾を飲み込みながら
読んでいる、ビー玉のおりかと申します。
山下さんのブログにも「そのやり方じゃだめだ!」という声が聞こえたってありましたよね。
みんな、言葉に気をつけて!です。
今は元気なNさんなので、こういうブログになるんですよねえ。これでコレ以降大変なことになっていたら。。。と思うと、
運命のいたずらで、フミユで会えた事に感謝です。