頭に穴開けちゃいました~其の三(段取りは大切♪刃の交換は定期的に)~
手術すると決まると、慌ただしく準備は進んでいきます。
緊張する暇もないくらいに...
まず更衣室みたいな所へ入って服を着替えます。
そしてベッドに横になり手術室へ。
頭を切るから当然髪の毛がじゃまになります。
そこでバリカンの登場。担当の医師が
「髪切るのは手術するところだけにしとく?」
と聞いてきます。
でも、手術するのは左右の側頭部(両側に血腫が出来ていた)。
そんなことしたらモヒカン頭になるじゃぁないですか。
さすがにそれはないと判断するだけの冷静さはありました。
「いや、中途半端の方がおかしいので全部カットしてください」
と返答すると
「そりゃぁ、そうやなぁ」
という返事。
だったら最初から聞くなとおもわず突っ込みたくなったのは言うまでもありません。
で,いざ髪を切ろうとした段階でトラブル発生
医師:「あれ,脳外科からバリカンもってこんかったん?手術室のバリカン全然切れへんで,取ってきて」
看護婦:「あ,忘れてました。見てきます。」
医師:「しゃぁないなぁ,とりあえずこれでやってみるか」
とういことでまずは切れないと言われるバリカンでトライ。
手際が悪いなぁと思いつつも,
「ま,切れないと言ってもバリカンやし問題ないんとちゃうの」
と思っているとそのバリカンがホントに切れないんです。全然切れず髪の毛がひっかかてストップ。それでも進もうするから髪が引っ張られて痛いのなんの。頭の痛みを一瞬忘れてしまいました。ということで、結局中止。髪の毛はほぼそのまま。
しばらくして期待の脳外科のバリカンが登場。でも機種は全く同じでぱっと見て違い
がわかりません。
「ほんまに大丈夫かいな?」
と一瞬不安がよぎります。ところが,こいつは凄い切れ味。
全く引っかからずに一瞬で丸坊主になってしまいました。
しかし,手術室のバリカンは一体何?刃ぐらい替えておいて欲しいものです。
看護婦と医者のやりとりを見ていてもどうもあたふたしていてこの時点ですこし不安になってきました。
で,いよいよ手術開始ということで主治医の人がやってきました。この人はベテラン
ぽくって落ち着いており信頼できそう。その人と先ほど頭をカットしてくれた少し若い医師の二人で手術をするようです。
さていよいよ手術開始というところでその医者が
「おしっこは大丈夫?1~2時間ぐらい行けなくなるよ」
そう言われるとしたくなるのが人情。
「あ,じゃぁやっておきます」
その時は、てっきりトイレまで連れて行ってくれるのかと思っていると尿瓶を持ってきて
「じゃぁ,ここで」
「え,ここで?」
手術台の上に寝転がって手術準備でバタバタしている看護婦や医者に囲まれた状態で尿瓶を握りしめ約1分。
「すいません,出ません。いいです。」
といって断念。自分の肝っ玉の小ささを実感しました。
ま,何はともあれ準備完了で身体を動かないようにベルトで拘束されて,
いざ手術開始!
頭からレーザーメスで皮膚を焼く音と感触が...
[つづく]